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Webエンジニアのために・・・ SEフトシ君の転ばぬ先の商慣習

トシくんは、IT専門学校を卒業後、中規模SIerにて働くコーディング大好きな若手SE。 プログラミングならなんでもござれ!…と強気な一方で、商慣習とかについてはまったくの門外漢。故に「なんすかそれは」と、失敗なんかもポコポコと。 そんな彼の体験談。はてさて、今回の話やいかに。

今もにっくき消費税。コロコロ変えるな、バカヤロー。
Webエンジニアの体験談
消費税がやってきた

 ワタクシSEフトシめ、時には既存パッケージのカスタマイズ案件なども手がけております。これはそのひとつ、「消費税」なる税金が日本でも導入されることに決まり、急遽会計システムに対して、その概念を追加しなきゃいけなくなったことから生じたエピソードであります。

 当時の僕はプロジェクトのいち開発者。全体の仕様にタッチする立場ではなく、切り分けられた機能部分をカタカタといじくる立場でプロジェクトに参加していました。

「なんか消費税とかいうのが導入されるらしい」

「ああ、めんどくさい世の中になりそうだな」

 僕の頭の中は、出社途中に毎朝買っているドクターペッパーが、1コインでサックリ買えない世の中になってしまうんじゃないかと、そんな心配でいっぱいでした。喉が渇いた時、さっとポッケの100円玉で激甘ジュースを買って飲み干す幸せ!それがなくなってしまうだなんて!

 まさに「おーまいがっど」と呟きたくなる心境なのでした。

 で、そんな僕の嘆きはよそに、プロジェクト自体は滞りなく終了したんです。消費税という耳慣れない概念に、なかなか仕様の理解もおぼつかないところはありましたけど、リーダーさんが丁寧に説明してくれる人だったので、さっくり綺麗に納期も遵守で、無事終わることができたのでした。

 そう、そこまでは良かったんです。

寝耳に水の、消費税アップ!!
 

 消費税導入にともなう会計パッケージカスタマイズ案件が無事終わってから数年が経ちました。ドクターペッパーは110円になり、頭の中で1円玉の数を計算するのにもすっかり慣れた、そんなある日のことでした。

「お客さんから問い合わせが来てるんだけどさ」

 とは当時のリーダーさん。

「今度消費税が5%になるみたいなんだけど、ってさ」

 なんでも、次の内閣あたりで消費税が5%に変更されるはずなんだとか。そうすると、税率3%で稼働してる現システムを、それにあわせて修正しなきゃいけなくなる。でも一度カスタマイズしてるんだから、税率の変更ぐらいならそんなに大きな規模にならないよね?なるって言われても予算ないから困るんだけど、そこんとこどうなの、大丈夫だよね?

 という問い合わせが来たというのです。

 さて、リーダーさんは続けます。

「もちろん税率の変更ぐらいだったら、定数値書き換えるくらいで済むだろうから、実質は検証コストだけで済むと思うんだ。でも、全コードに目を通したわけじゃないからさ、当時の各担当者に聞いてから返事しようと思ってね」

 正直に言います。

 消費税って可変なものだったんですか?

 というか、税金ってそんなコロコロ変わるものなの?

 みるみる青くなる僕。そしてそれ以上に「まさか」と青ざめていくリーダーさん。

 ただ、当時僕と同じように考えていた担当者は他にもいたみたいで、「こりゃいかん」と大あわてでコードを精査したリーダーさんの出した結論は絶望的なものでした。

 なにが絶望的かって?

「これはお客さんに請求なんか出来んだろう」という修正作業が膨大に発生するという意味で絶望的なコードだったのです。

 じゃあ、誰がその帳尻をあわせるんだ?

 えへへ、誰でしょうね。うふふ、うふ。しくしくしくしく…。

税金って、そんなコロコロ変わるものなの?

まあ、こういう数値関係を定数に切り出しておくのは当然のことだ…というのはありながらもですが。

ですが?

そもそも今回のって例外的なことなのか、それとも税金というもの自体が、実はコロコロ変わる類のものなのかというあたりをちょっと確認したいなあと。

なるほど。税金はね…まあ変わるよね。コロコロと。

え!? そうなの!? 誰がいったい変えるんですかそれ。

税制調査会ってのがあって、ここが毎年審議して税金の調整を行なうようになってんの。税金ってものがそもそも運用上は、毎年見直しを図りながら…という前提で成り立ってる。

そんじゃ、システムでまかなってらんないじゃないですか。開発終わった途端に変更入るの繰り返しになっちゃうんじゃないの?

うん、だから毎年変わる前提で出来てるの。細かいとこは税率マスタを持っておいて、経理の人が数字の修正するだけで済むようにしてたり、紙に打ち出した後で変更部分だけを修正したりとか。経理部門や保守契約を結んでるシステム屋さんがそのあたりを吸収してるわけだね。

んじゃ、今回の話はとにかくそのあたりの常識に欠けてたんだ…と。

うーん、ただね。業務管理系のシステムだと、税金の話が食い込んでくるのって実質消費税くらいだったりするわけよ。

へ? んじゃ「税金」って存在自体が異端だったの?

酒税とか、そのあたりが関係してくる業種は別だったんだけど、「消費税ではじめて税金を意識した」ってとこは多いんじゃないかなあ。

あ、そういやサラリーマンしてた時は、自分の税金すら意識したことなかったですよ。

それはキミはバカすぎるだけだけども。

ぎゃふん。

わはは、ウソウソ。会社が全部やってくれるからね。税金というものの動きに余計ウブになっちゃうようなところはあるかもしんない。

税金の変更についての解説
きたみりゅうじ

作家・きたみりゅうじ
もとは企業用システムの設計・開発、おまけに営業をなりわいとするなんでもありなプログラマ。本業のかたわらWeb上で連載していた4コマまんがをきっかけとして書籍のイラストや執筆を手がけることとなり、現在はフリーのライター&イラストレーターとして活動中。
URL:http://www.kitajirushi.jp/
※大好評 Webエンジニア武勇伝にも掲載!第10回 きたみりゅうじ氏

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