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Engineer25 第4回 cho45氏
川井:大学はどういう学部なんですか?
佐藤:情報系の学部に入ってみたんですけど、あまり面白くなかったんです。
川井:自分のやりたいことに役に立ちそうにないってことですか?
佐藤:自分のやりたいことをやらせてくれるのはいいんですが、大学って結構、高圧的というか一方的じゃないですか。そういうので自分の興味を崩したくなかったんですよね。プログラミングが好きになっていたので、相手からの圧力でプログラミングをやるっていうのは嫌だったんですよ。それによってもしかしたら自分はプログラミングが嫌いになるかもしれないということを考えるとそれは避けたかったんですよ。だから、段々嫌になってきたんです。あとは大学で同じ方向を向いた仲間みたいな人がいなかったんです。1年、2年我慢してやってみたんですけど、大学に行っているのが段々違うんじゃないのかなって感じ始めたんです。
川井:なるほど。
佐藤:それで、3年の夏くらいにあるきっかけがあって、大学に絶望した!って感じでもう駄目だなって思ったんです。高校も大学もずっと我慢してきたけど、もう我慢しなくてもいいんじゃないかなってことだったんですよ。そうやってずっと嫌な気持ちのままで生きていくよりは、やりたいことをやって嫌な気持ちになった方がいいなって思って、休学することにしたんです。高校の陰鬱な生活の繰り返しっていうのは絶対にやりたくなかったんですよ。それが気がつくと大学でも繰り返しになっていたんで、自分の力で断ち切ろうと思ったんですよ。
川井:なるほど。
佐藤:親とかは説得しないといけないんですけど、精神的にいろいろあれだったんで、家で結構、奇声とかを発してたんです。なので親が結構心配していて、休学には同意してもらえました。自分としては中退したかったんですけど、他の人生の先輩方にいろいろ聞いてみたところ、とりあえず休学にしとけよっていう声が多かったんで、一旦、休学ということにしました。
川井:そうでしたか。いろいろもがいているんですね。
佐藤:そうですね。現在進行形でもがいていますね。
川井:それはそれで若いうちはいいことだと思うし、財産になると思いますよ。
佐藤:自分も悩むことは悪いことだとは思っていないんですけど、結構きついですね。
川井:嫌なこともあるしいいこともあって、いいとこどりだけしちゃおうっていう発想もあると思うんですけど、それは難しいんですか?
佐藤:それはできないんですよ。勿論、考え方なんで、やろうと思えばできるとは思うんですけど、嫌な気持ちだとかを忘れていってしまいそうなんで、やりたくなかったんです。保存しつつ、そういう人たちもいるってことを分かりつつやっていきたかったんで、ネガティブな気持ちを忘れずに上手く展開していきたいですね。
川井:なるほど、それをエネルギーに変えるってことですね。
川井:今、取り組んでいることってどんなことですか?
佐藤:今は、Webサービスをやるっていうのに一番興味があるんですけど、それとは別に言語処理系みたいなのが結構楽しいかなっていう感じなんですよ。いつの間にか、言語をたくさんやるようになっているんですけど、それぞれの言語の表現方法って違うじゃないですか。そうしたときに、どの言語が自分に一番合っているだろうとか、一番美しく書けるのはどの言語かっていうのが心にあるんです。いろいろ面白いんでやるんですけど、でもどれもなんか違うなって感じなんです。なので、将来的には自分の満足いく言語を作りたいですね。
川井:なるほど。いつくらいからたくさんの言語に関わるようになったんですか?
佐藤:いろんな言語をやるようになったのは、Rubyを始めてからですね。それまでは、JavaScriptとPHPを書いていたんですけど、PHPはまったく美しく感じなくて、プログラミングをするっていうは楽しいなっていうのをちょっと学んだだけだったんですよ。じゃあ、もっと綺麗に書ける言語って何があるんだろうって思っているときに、ちょうどRubyって話を聞いて始めてみたんですけど、イテレータの動作を理解して、なるほどこういう風に書けると面白いんだなって思ったんですよ。Rubyっていろんな言語からとにかくパクりまくっているじゃないですか。そのお陰で別の言語にも入れるようになったんです。例えばイテレータっていうのは、クロージャーを引数として渡しているだけだとか。他の言語にいくと、Rubyでこういうことができたんだからこう書けるとか別の書き方ではこんなに綺麗に書けるっていうのが分かってくるんで入りやすくて、じゃあなんで、Rubyはその言語の別な部分を取り入れなかったのかって考えると、確かにこういう理由があるんだなって想像できるのが楽しかったですね。
川井:なるほど。それはとっても分かりやすいですね。Rubyがいいとこどりをしているんだから、その裏でいいとこどりの対象にならなかった裏を見にいくと面白いってことですよね。
佐藤:これってRuby発祥なのかなって思っていたことって、実はほとんど違うじゃないですか。なんだ危ねえなって(笑)だからRuby発祥っていう前に調べるんですよ。調べると、案の定パクりなんで、パクりもとの言語を学んでみるとこの言語面白いじゃんって思うんですよね。
川井:(笑)
佐藤:Rubyは書いていて楽しいですね。頭に浮かんだことがすぐに書き出せるっていう意味ですごく楽しいですね。
川井:言語処理系ってことは、C言語とかも勉強しているってことですよね?
佐藤:Cの勉強もちょっとずつやってるって感じです。やっぱりRubyを書いていると段々Cの方には食指がいかなくなるんですけど、Rubyの拡張ライブラリを書くためにCをやったり、ここを高速化したいからとか、他の言語のライブラリをうまく使いたいときにCをやるって感じですね。なので、Cをちゃんとやったことはないです。
川井:Rubyのソース自体は読んでないんですか?
佐藤:あまり読んでないですね。一応、チェックアウトしていて、困ったときに読むって感じですね。ここがあれなんだとかスレッドの実際はこうなんだとか。
川井:でも必要なときに読めればいいですよね。
佐藤:でも、読むと書くとは違うんで、これから言語処理系をやるとしたら、ちゃんとCを勉強しないといけないですね。ただそれはもうちょっと先でもいいかなっていうのもあります。今はサービスを作りたいというのが強いんです。
川井:そのサービスってアイデアとかあるんですか?
佐藤:具体的ではないですけどいろいろ考えてはいます。自分の根底にあるのが、小さなコミュニティでうまく生きていけないんだけど、頭を使って何かをしようとしている人たちっているんで、そういう人たちを上手く掬いあげて面白いことができるようなサービスを作っていきたいですね。そこまでいかなくても、そういう人たちが同じような志を持っているっていうことを実感できるようなサービスを作れるといいですね。
川井:勇気を与えるというような感じですか。
佐藤:そうですね。もうちょっとだけ広い視野があって、インターネットの本当の面白さに気付けるんだったら、もっと希望を持てると思うんですよね。
川井:それってメディアを作るってことですね。
佐藤:例えばですけど、「はてなダイアリー」とかって、みんながそれぞれ書いていて、キーワードで緩く繋がっているじゃないですか。そこから繋がって、直接コミュニケーションしなくても、こういう人もいるんだって気付けるのはすごく面白いんですよ。そういうのを拡大して、同じような志を持った人が緩く繋がれるようにしたいですね。馴れ合いが上手くいかないから孤立するので、そこまでいかなくても上手く繋がれるシステムがあったら絶対に面白いって思いますね。そういのを作っていきたいです。文章だけじゃなくても繋れるといいですよね。
川井:馴れ合うのもがっちり繋がるのも苦手なんで、緩い繋がりを創っていきたいってことですね。
佐藤:そうです。もっと上手く距離感をとれるサービスっていうのが絶対に必要だと思います。ある程度はほっといてもらえるような。
川井:確かにそういうのは必要あるかもしれませんね。最近は少子化もあって、子供時代に社会性を学ぶ場がないんですよね。一人っ子だと兄弟喧嘩もないですからね。私は一人っ子のはしりでクラスに2、3人しか一人っ子がいない時代だったので、「やーい、一人っ子」ってよくいじめられましたね。なので、コミュニケーションも苦手で、大勢での飲み会とかでは、端の方に一人でいるのが好きですね。
佐藤:自分もそういう感じです(笑)周りに人がいると怖くて怖くて仕方がないんですよ。人がいっぱいいると、自分では気付かないうちにやったことに対して、ものすごい勢いで怒られるんじゃないかっていうのがずっとあるんですよ。なので、できるだけ人の少ないところに行こうとするんですよ。
川井:私もそういのがあったんですけど、あるときから、周囲は一切無視するようしたんですよ。大分過ごしやすくなりましたよ(笑)でも、今度は無神経な人とか、本当に周りのことを見ていないとか考えていないとかいろいろいわれるようになって、それはそれで、また問題もあるんですけどね。
佐藤:それは解決方法としては、ありますね。
川井:まだ、その方が気持ちが楽ですよ(笑)
佐藤:なるほど(笑)
川井:話が脱線しましたが、サービスを作ろうっていう原動力は、自分と同じ境遇の人を救おうっていうところにあるってことはよく分かりました。
佐藤:もっと広くてもいいんです。フィードリーダーというか livedoor Reader もある意味感動したサービスの1つなんですけど、フィードリーダーの面白さっていうのは、ぱっと見ではよく分からないんですけど、大量に購読するようにしていくと、面白い人っているんだってことに気付けるんですよ。「人」って、やっぱり継続的にエントリを読まないと分からなかったりするじゃないですか。大量の候補を、継続的に読めるようになったおかげで、今までよりも面白い人を見付けやすくなりました。
川井:それは、根本的にはこれだけ溢れている情報の中で、自分が求めているものをどうやって見つけ出すかってことですよね。求めているものをどう形式知化するかっていうロジックが大切ですよね。
佐藤:上手く文章に出来ない人たちもいるんですよね。ニコニコ動画とかができて、歌ったり出来る人たちには活躍できる場が出来たと思うんですけど、何もできない人ってまだ結構いると思うんですよね。そういう人たちに何かプラスになるものが作りたいですね。
川井:なるほど。それこそ深層心理の世界に入り込まないといけないんで、甲殻機動隊とかマトリックスの世界ですね。
佐藤:でも、そういうのが作れると面白いですよね。
川井:表現しない人をどう巻き込めるかとか救えるかとかそういうのはありますよね。
佐藤:今は、できるだけ表現できる人たちが思うように表現できる仕組みを作っていって、そういう人たちが表現することによって目につくようにしていければと思っているんです。そうすると、こういう表現の方法があるんだったら自分でもできるんじゃないかって気がついたり、たくさん情報があることで繋がれるようになれるんじゃないかなって思っているんです。
川井:「繋がれる」っていうのがキーワードですね。自分自身が苦しんだからそういう思いが生まれたんですね。
佐藤:繋れない人の気持ちっていうのは絶対にそうなってみないと分からないと思います。高校のときの、虐げられてきて上手く生きられなかったというのは根底にありますからね。今も上手く生きられているわけじゃないですけど、これからも少しずつやっていって、そういう人たちを見付けられるようにっていうのが自分の中の大きな目標ですね。
川井:なるほど。
佐藤:それは、さっきの言語処理系の話とは別ですけどね。
川井:それは興味ですよね。
佐藤:そうですね。そういう意味では、興味と使命ですね。使命っていうとちょっと言いすぎかもしれないですけど、単純に、インターネットに恩返しして、同じような人たちを掬いあげたいっていうだけですね。インターネットに恩を返すってなんか変ですけど、つまりお世話になった人達だけってわけじゃなくて、これからでてくる「誰か」の役に立てばいいなと思います。
川井:それって考えていることは、起業家と一緒ですよ。起業家も社会にどういう形で貢献できるかっていうのがないと駄目なんですよ。単に金儲けしようってだけでは起業なんてできないですからね。企業にも「事業ミッション」っていうのがあって、社会に対する使命っていうのがあるんですけど、それがしっかりしていないとみんな共感しないんですよ。

川井:今後ですが、技術の世界で生きていくという方向性で考えているんですか?
佐藤:ネットと技術の世界でと思います。技術は捨てたくないですね。プログラムをずっと書いていきたいです。根底として、企画からデザインからプログラムまで全部やりたいんです。誰かが考えたものじゃなくて、自分が考えたものをやりたいんですよ。
川井:確かにそれには技術があるといいですね。
佐藤:アイデアがあって、作ってくれる人を探しているっていう人は残念だなって感じがしますね。そういうシーンにぶつかると、自分は技術があってよかったなって実感しますね。
川井:自分で起業するっていうことも考えているんですか?
佐藤:そうなると、やっぱり技術だけってわけにはいかなくなるし、コミュニケーションレベルも上げていかないといけないってこともあるので、自分に合う会社がどこも見つからない場合の最後の手段としてという感じですね。
川井:まあ、経営者になるといろいろありますからね。はんこを押すとかもね(笑)
佐藤:(笑) そちらに時間をとられると、やりたいことができなくなりますからね。
川井:なるほど。やりたいことを実現する1つの手段として、それもあるっていうことですね。
佐藤:今は、本当に広く考えるようにしていますね。場所を選ばないようにもしたいですね。今考えてはいないですけど、アメリカとかに行って、英語を勉強するところから始めようってことでもいいとは思っています。それで、自分の目的が達成できるんなら、いいと思いますね。
川井:MASUIDRIVEさんとか行っちゃいましたしね。一緒にやっても楽しそうですね。あの人も英語が全然分からないのに平気で行っちゃいましたからね。
佐藤:そういうのも本当にありだと思いますよ。どうしようもない気持ちで仕事するくらいなら、死ぬ気でどうにかしたいと思いますよ。
川井:なるほど。若いのに視野が広い感じがしますね。
佐藤:それは意識してそうしたいと思っています。高校と大学のときは、視野が狭くなっていたので、今は本当に広げていかないとって思っています。
川井:ある意味楽しそうですね。
佐藤:悩みの方が多いですけどね。
川井:人生、そうですって。
佐藤:そうですか。
川井:8割は悩みで、楽しいことは2割くらい。楽しいことの質が高いと生きていかれるみたいな感じですよ。
佐藤:そう考えると気が楽ですね。実は悩んでいるのは、自分だけなんじゃないかと思ったりしていました。
川井:そんなことないですよ。こう見えても、私も毎日悩んでいますからね。
佐藤:なるほど。少しずつやってみて学ぶことがあればって感じなんですね。
川井:でも、佐藤さんの生き方ってすごく楽しくてやりたいことを追求していて、若い方の刺激になる話だったと思いますよ。今夜は本当にありがとうございました。
佐藤:是非、そういう刺激になる人になりたいですね。こちらこそ、ありがとうございました。


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