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第36回 松本 庄司 氏 | 株式会社モディファイ CTO


川井:

その後大学院に進まれて、何を研究されていたんですか?

松本:

認知系が好きだったんです。人工生命とか人工知能とかです。そういうのに絡めたとこで、いわゆる認知学、本当の脳みその話とか心理系の話とかも好きでした。そこでいろんな研究室に行かせてもらって話をさせてもらったりしていて、研究自体は人工知能と人工生命はちょうど流行っていた頃だったので、ちょっとアルゴリズムを組み合わせてやってみたりしていました。

川井:

大学も九州ですか?

松本:

大学は京都です。

川井:

京都ですか。京大ですか?

松本:

はい、そうです。

川井:

いいですね。私、京都好きなんですよ。どの辺にお住まいだったんですか?

松本:

銀閣寺の近くですね。

川井:

いいですね。白川の近くですね。

松本:

そうです。あの辺に住んでいました。

川井:

羨ましいな。

松本:

でも、研究室に住んでました(笑)

川井:

(笑)

松本:

研究室に住んで、ちっちゃいテレビとPS2を持ち込んでファイナルファンタジーをやってました(笑)もう画面に焼きつくくらいやってました(笑)

川井:

ゲームをかなりやってるんですね。

松本:

ばりばりやってましたよ。高校まで受験漬けでゲームも漫画も全然って感じだったので、大学に入ってからはじけたって感じですね。

川井:

なるほど。

松本:

ガーっと漫画読んで、ガーっとゲームしてって感じでしたよ(笑)

川井:

そうなんですね。ちなみにこの時代の京大っていうと結構ベンチャーブームなんですか?

松本:

もうちょっと後ですね。

川井:

もうちょっと後でしたか。

松本:

そうですね。ベンチャーって言葉自体が流行り出したのが、私が大学院に入ってからですね。その時代はバブルがはじけたちょっと後なので、ベンチャーベンチャーって言っている時代ではなかったと思いますよ。

川井:

確かにそうですね。

松本:

一旦アメリカでベンチャーが盛り上がっていた時に、日本でもITベンチャーっていうのが一瞬流行ったんですよね。でも、向こうのITバブルが潰れて、日本でもベンチャーベンチャー言ってたけどそこまでは伸びずに産学共同とかの方にいっちゃってて、でも産学共同もずっと鳴かず飛ばずで、だったじゃないですか。

川井:

そうですね。

松本:

産学共同でベンチャーが出てきたのは、2003年か2004年くらいになってからじゃないですかね。

川井:

松本さんとしては、そういう世界はあんまり目に入らなかったんですか?

松本:

僕はもう好きなことを好きなだけやる人なんで、お金はどうでもいいやみたいなところはありましたね(笑)

川井:

なるほど。大学院はどこまで行かれたんですか?

松本:

大学院はもう僕は勉強大好きだったので3年間いきましたよ(笑)

川井:

しっかりと(笑)

松本:

大好きだと言い始めたのはあとでですけどね(笑)

川井:

(笑)

松本:

博士までは行く気はなかったんですよね。修論でちょっとしくって、先生からダメって言われたんで(笑)

川井:

そうですか。

松本:

ま、その分いろいろ遊べましたけどね。一年間長くいたからガンガンUNIXのことやってましたし、だいだい単位とか足りていたんで修論だけやってあとはLinux周りのことばっかりやってましたね。

川井:

どんなことをやってたんですか?

松本:

その時にJEっていうLinuxの日本語化のプロジェクトがあったんですけど、そのJEが一通り落ち着いてまだレッドハットとかも出てない時代なんですよ。最後の方でちょうどレッドハットとかあといくつかターボリナックスとかもそうだったかな…ちょうどあの辺のベンダーは出始めたころなんですけど、一向に日本語対応してくれなかったんです。結局フォントの問題とか和訳文書の問題とか日本語パッケージの問題とかあって、企業は金持ってるんだからどっかやってくれよと思いましたけど、一向にどこもやらないから、「俺らがやるよ」って言って、オープンソースなんだし勝手に持っていけという感覚で、PJEというのとVineというのを何人かでやり出したんです。

川井:

なるほど。

松本:

Linuxは当時あんまり流行ってなくて、なんで流行らないだろうねっていう話をしていて、やっぱり流通に乗せなきゃダメなんじゃないかってなったんです。とりあえず箱に入れて店に並んだら買うでしょっていう話になったんです(笑)

川井:

(笑)

松本:

まだオープンソースオープンソースって言ってなかったから、まず企業に入らないじゃないですか。

川井:

はい。

松本:

化粧つけて箱に入れれば、信用を与えるってことになるんじゃないかっていう話をしていたんです。Vineっていうパッケージ作って、みんなに置いてもらうみたいなことをしたんです。それがなんとなくウケたんですよ。

川井:

それはどういう団体でやっていたんですか?

松本:

UNIX周りの仲間内ですよ。

川井:

本当にじゃあコミュニティレベルでそういうご活動をやっていたんですね。

松本:

そのJEをやっていた人が真鍋さんて方なんですけど、真鍋さんがしんどいからもうJE辞めるって言われて、でも捨てるの勿体ないですしね。JEは協力してる人は周りにはいましたけど、実質ほぼ真鍋さんが1人でやっていたようなもので、チームになってるわけじゃなかったんです。

川井:

そうなんですね。

松本:

それで5、6人でPJEっていうのをやって、そこから発展して、レッドハットがちょうど流行り出したのでレッドハットベースで作ってみたいなという感じでVineをやりましたね。

川井:

企業がやらないから自分たちでやるというモチベーションだったんですか?

松本:

そうですね。企業がやらないからやってよ!というか、俺ら作るから企業持っていけよみたいな(笑)箱にして売ってくれよみたいな(笑)

川井:

(笑)

松本:

でも、一向にやってくれないから、しょうがないのでうちらでやるかーみたいな感じでしたね(笑)

川井:

そうすると、今のオープンソースの発想の先駆けに近いですよね。

松本:

そうですね。ま、権利関係がめんどくさかったとか怖かったのもあるんでしょうね。

川井:

そうですよね。

松本:

フォントの権利とかって結構高いじゃないですか。配るわけにもいかないしってなると、誰かがどっかで作ったものを持ってきてみたいになりますよね。当時、ベクターのフォントはほとんどなかったので、どっかが実験で作ったようなビットマップフォントをベースにガリガリやっていました。

川井:

なるほど。

松本:

その時まだ牧歌的だったからパクりパクられで、どっから取ってきたんだって話になりましたね(笑)

川井:

まだそうですよね(笑)

松本:

最近、といっても5、6年前ですかね。フォントの権利関係をちゃんとしようってなったんですよね。で、いろいろ調べてたら、これの筆字は実はあのプリンターのROMフォントからとったなんていう怖い話もいっぱい出てきたりしました。

川井:

(笑)なるほど。

松本:

なので、フォントとか文字処理周りもガリガリやってました。その頃にちょうどMozillaとかも出始めた頃で、Mozillaの前かな・・・Netscapeがソースをちょうどオープンにした前ですかね。Netscapeのバイナリ版に対して日本語フォントを入れるのにこういうテクニックがあってとかそういう設定をやったりしてました。そこで、フォントとか日本語コードの話とかが出てきてガリガリその辺をやっていたんですよ。その後にMozillaが出て、日本語コード周りがおかしいからっていうのがあって、こういうテーブル作ってこの辺直したらいいんでとかいうことをちょこっとやっていました。

川井:

そうなんですね。

松本:

その頃はちょっともじら組と絡んでましたね(笑)この前久々にもじらさんのパーティに行ってきましてコミュニティも変わってるんだろうなと思って会ってみたら、やっぱり全然変わっちゃってましたね(笑)

川井:

そうですか。

松本:

ま、ベースはUNIX周りをゴリゴリやってましたね。

川井:

そうですね。

松本:

全然Windowsの人じゃなくて、ノート買ったらWindowsを初期設定する前にハードディスクを差し替えてLinux入れますみたいな生活をしてました(笑)

川井:

なるほど(笑)

松本:

でも、最近はLinuxも落ち着いちゃったんで・・・。その頃からユーザーの二面性っていうんですかね、そういのは考えていましたね。箱に入れたのもそうで、FTPからダウンロードしてきてこういうインストール手順でとか本を見ながらやるのは面倒くさいじゃないですか。

川井:

確かにそうですね。

松本:

「CDを入れたら自動的にインストールができちゃった方がいいよね」という感覚はありますね。

川井:

それってなんか、テキスト作るとかアーティフィシャルなというかなんというんですかね、そういう感覚もなんか元々お持ちなのかなって感じがしますね。

松本:

気にはしてると思いますよ。日本語とかも単なる訳じゃおもしろくないとか、技術的な文章はおもしろくないとかレイアウトにもこだわるし、フォントとかもきれいじゃないとなあか考えたりしてましたね。

川井:

使う人から見て分かりやすいということを気にするのは、インターフェースにもかなり興味があるのかなと思いますが、いかがですか?

松本:

それは、かなりありますね。



川井:

当時は仕事としては何かやろうっていうのはあったんですか?

松本:

何もなかったです。プログラム系は好きだったんでいくならIT系なんだろうなぐらいのことは思ってました。

川井:

漠然とそういう仕事をするんだろうなってのはあったんですかね。

松本:

そうですね。就職の時も特に就職活動らしい活動はしなかったんですよ(笑)

川井:

そうなんですか(笑)

松本:

就職活動って、普通3月くらいからやるじゃないですか。なんにもしてなくて、5月くらいにどうしようかなっていう話をしてたら、研究室の先輩からうちどうよって紹介があって、面接いったら受かりましたみたいな・・・(笑)全然就職活動してないよ?って感じです(笑)

川井:

そんなものですよね(笑)

松本:

そういうところは、ラベルとか学歴とかは武器にはなるのかなっていうのはちょっと思いましたね。

川井:

最初の仕事は何をされたんですか?

松本:

最初は大手SIerで働いたんですよ。

川井:

東京に出てこられたんですか?

松本:

そうです。東京に出てきて、しばらく寮で暮らしていました。みんな帰ってくるのが遅いんですよ。

川井:

でしょうね。

松本:

早いとこは早いんですけど、遅いとこは遅くって、みんなして終電か終電過ぎに帰ってきて寮食で飯食って風呂入って2時3時くらいにお疲れみたいな毎日でしたね。朝は9時に来いとかじゃなくて10時とかだったんでゆっくりはしてたんですけど、毎回同じメンバーがそんな感じでしたね。

川井:

何年ぐらいですかね。

松本:

2000年ですね。ちょうど2000年対応で泊まり込んだ思い出があります(笑)

川井:

そうですね。

松本:

結局、徹夜したけどあそこのサイトで1個出ただけだよという感じでしたけどね。「表示がずれただけかよ」みたいな感じでしたね。

川井:

たいしたことは起きませんでしたよね。

松本:

全然起きなかったですね。金融とかの方ではなかったので、僕自体はいわゆるR&D;と言われるとこにいっていたので何かあったときにはという感じでしたけどね。

川井:

寮はどこだったんですか?

松本:

生麦でした。出勤は東京に行く人とは逆だったんで、あまり混んでたりというのはなかったですね。

川井:

それっていいですよね。

松本:

川崎が近いから土日の度に映画館に行ってました。チネチッタがちょうど出来てちょっとぐらいの頃で、土曜日のレイトショーくらいから行ってレイトショーとオールナイト見ると2時3時じゃないですか。

川井:

はい。

松本:

そのあと漫喫に朝一で行ってまた2本くらい見て帰るみたいな(笑)

川井:

(笑)

松本:

毎週やってて、ちょっと充実してましたね(笑)

川井:

結構、サブカルはお好きなんですか?

松本:

サブカルは嫌いではないですけど、マニアというわけじゃないですね。

川井:

自由奔放に好きなことやって生きてる感覚ですよね。

松本:

めちゃくちゃ好きなことをやってます。且つ、楽しようとしますね。

川井:

職場はそういうのは許されるんですか?

松本:

ま、仕事は仕事でやってましたけどね。ただ、なんだかんだいってプログラム系のことでいうと、同期が300人くらいいて50〜60人は調査部で残りはSIなんですけど、やっぱりプログラムをバンバンやる奴っていうのはほとんどいなくて、即戦力になりそうっていうのが自分含めて5人くらいでした。

川井:

はい。

松本:

最初の2か月くらいは、COBOLなんかも組まされたりする研修があるんですけど、うちら5人は自分のやつをさっさと終わらせてぼけっとしてたら、他の人に教えてくれとか言われましたね。「俺ら新人なのにインストラクターやってるよ」みたいな感じだったんですよ(笑)

川井:

(笑)

松本:

そういう奴らは、やっぱ上からは目をかけてもらえるんで、意外とその辺は厳しくなくやらしてもらったというのはありますね。

川井:

なるほど。

松本:

ただその代わり、研修終わって半月くらいはおとなしくこれ読んで勉強しててみたいな感じだったんですけど、その後、ちょうど火の車のところに放り込まれました(笑)入った部隊が全体でも火消し部隊って言われてるところだったんですよ。

川井:

できる方は配属がそうなりますよね。

松本:

「うわぁ!この仕様書は…」とか言ってました。なんか仕様書見ると2〜3個くらいラジオボタンが並んでるんですよ。下にこのボタンは各々独立してトグルであることって書いてあったんです。「これチェックボックスじゃないですか?これチェックボックスで書いていいですか?」って聞いたら、「いや。それはもうお客さんと、この画面ショットでってなってるからそうして」って言われたんですよ(笑)

川井:

(笑)

松本:

で、3日くらい苦労してVisualBasicで変なトリック使って仕上げて出したら「あ、それ仕様変わったから!」って言われたんです。

川井:

(笑)

松本:

「えー!どこにあるんですかその仕様変更!」って聞いたら「ない」って言われて、「どこにもない仕様変更なんて知らないよー!」ってなりましたね(笑)

川井:

よくある話ですよね(笑)

松本:

そうなんですよ。最後にはまた大幅に変わってて、普通にラジオボタンでよかったなんてことになってましたね。

川井:

なるほど。

松本:

火の車になってるようなプロジェクトだったんで、やってるチームと他のチームとの意思疎通も全然出来てなくて、お客さんとの関係も悪かったんですよ。

川井:

なるほど。

松本:

そこでちょっと人生の不条理を感じて・・・。とそんな感じででしたね。

川井:

じゃ、最初はR&D;といっても受託案件の中でガリガリやってという感じとかですか?

松本:

いや、そうじゃないですね。ちょうどその頃会社が統合したとこだったんですよ。それで、2つの部署を統合せずにそれぞれがR&D;をやってという感じでしたね。

川井:

なるほど。

松本:

ある意味ちょっと外様っぽいところですね。意外とでかいところって縄張り意識が強いじゃないですか。全社でとかは出来ないですし各々の部署のところにやり方があるしとか。そういうところとはちょっと離れてたんで、そういう意味ではかなり自由にやってましたね。

川井:

なるほど。

松本:

ナレッジマネジメントシステムを作ってくれとか言われて、Dominoで作ってみたりとかしました。

川井:

当時、流行ってましたもんね。

松本:

流行ってましたね。Dominoでガーっとでっちあげてみたんですけど、結局あまり使われなくって、ナレッジマネジメントは必要じゃないんですよねって収めちゃったりとかありましたね。トップダウンで社長がやれって言わないと絶対やりませんみたいな・・・。

川井:

別部隊の方と関わりもあったんですか?

松本:

ほとんどなかったです。大きいところはおもしろいんですけど不条理をみることもあって・・・。いわゆる協力会社って言われる下請けの人がいるんですけど、やっぱり技術面で出来る人は下請け会社さんというか実際動いてる人々なんですよね。上の人は人とお金を動かしていて、結局業務のことは協力会社さんの方が知ってるんですよ。

川井:

そういうケースが多いですよね。

松本:

且つ、上は結構入れ替わるんです。協力会社さんのチーフクラスの人が技術も出来るし業務もめちゃくちゃ知ってるんです。そしたらこの仕事を動かしてるのは協力会社さんじゃないって思っちゃうわけですよ(笑)

川井:

確かに。

松本:

自分としてはお金の計算するよりコードをガリガリと書きたい人だから、こっちの方がメンタリティとしては近いわけですよ。

川井:

そうですね。

松本:

で、フローチャートを書いてあるような仕様書がきて、フローチャート書く暇があったらコード書けよみたいに思ったりしました(笑)

川井:

(笑)

松本:

「いまどきフローチャートかよみたいな。おまけにこのフローチャート間違ってるぞ」みたいな感じでしたね(笑)

川井:

(笑)

松本:

で、こうダイレクトにいかないのを「うっ!」って思ったりしていましたね。

川井:

やっぱSIの大手の方になると社員の方は基本的に書かないですもんね。超上流しか関わらないですもんね。

松本:

それも、たとえばいろんな言語とかいろんなシステムをたたき上げで知っていて、「俺も書けるけど俺が時間をかけるわけにはいかないから書ける奴にまかせる」って言うんだったらいいんですよ。変なことも書いてこないですしね。プログラムをやったことがない人が、うちらでいうところの同期の5人以外で入った人々が、プログラムをまともにやらないうちにそういうとこにいっちゃうんですよね。そうすると、とんちんかんなお話になってきて下の方ではまた変な仕様変更かよみたいになっちゃうんですよ(笑)

川井:

やっぱそこに不条理というか問題があるんですね。

松本:

そうですね。だから、「あー!」って思っちゃうんですよ。

川井:

過度な多重構造はよろしくないとずっと思ってるんですよね。

松本:

そうですね。すごいよろしくないですよ。その辺の課題感覚でいうと、SEと呼ばれてるものはとっぱらっちゃって、プログラマーを2層化するべきだと思ってるんですよね。

川井:

なるほど。

松本:

ちゃんとプログラムが出来る人でいわゆる設計屋さん、アーキテクトと呼ばれる人々と、それ以外のプログラマーというかコーダーレベルの人とで分けるべきで、実際はもっとアーキテクトと呼ばれる人々が評価されるべきなんですよ。

川井:

そうですね。

松本:

たとえば、ちょっと生々しいですが、人月ベースでいくと、一番下のレベルで70万〜80万からあって、チーフレベルの人でも上限が120万くらいなんですよね。一方で書類を書いてる人は170万とか180万とかなっちゃうわけなんですよね(笑)

川井:

そうですね。

松本:

チーフレベルで書類含めていろいろ作れる人っていうのは同じぐらいもらってもいいはずなんです。そこがないから結局そういう人々が疲弊しちゃうんですよね。で、出来る人に必ず仕事は集まってくるからもう疲れちゃって、酷いことになってしまったりしちゃうんで、どうにかしないといけないよねっていうのは思いますね。

川井:

本当にこの業界構造がよろしくないというのはありますよね。

松本:

Googleはうまいことやってますよね。上の方の層だけ取り出してきて、給料いっぱいやるとか、好きにやっていい時間をやるとか、その代わり好きなものを書けとか。やっぱりあの構造はオープンソース的な発想でいいやり方だなって思いますね。

川井:

そうですよね。

松本:

SONYとかも結構そういうやり方らしいです。近くのお家にSONYの方がいらっしゃるんですけど、いろいろお話を聞いていると、プロジェクトごとにチームメンバーを集めてきてバーンと立ち上げて企画を出して、バーっとやってという感じらしいです。その代わり失敗したら飛ばされるみたいな(笑)

川井:

(笑)そうなんですね。

松本:

ま、企業なんでそれはしょうがないですけど(笑)

川井:

緊張感がありますね。

松本:

Googleもそれは同じみたいですよ。あそこも入れ替わりが激しいんで・・・。できるやつは残ってるけど、できないやつはどっかいきますみたいな感じみたいですね。

川井:

なるほど。そんなじゃあ多少ストレスを感じるようなこともあったと思うんですけど、どのくらいやられたんですか?

松本:

1年半くらいですかね。もう少し長くいてもよかったんですけど、そのUNIX周りの友達からちょっとこっちに来ないかという話があったんです。僕もちょっと疲れてたんで(笑)上の人に言われたんですけど「うちの会社は10年いると給料がよくて辞められないんだけど、残っていく人はめっちゃいい人かめっちゃ悪い人」という話をされたんですよね。めっちゃいい人は何を持ってこられても断れない人で能力が高い人、めちゃ悪い人は何でも持っていく人。そのどっちかに分かれていて・・・。めちゃ悪い人っていってもいい意味で悪い人なんですけど(笑)

川井:

(笑)

松本:

残ってる上の人を見ると確かにすごい人はすごいんですよね。ですけどそこまで必死にならんでもっていうのは実際ありましたね。

川井:

なるほど。

松本:

たとえば大学の同期でIBMとかに行った子らがいるんですけど、話を聞くと、でかい企業にいくと安定してて給料もらえるっていうじゃないですか。でも、やっぱそれだけ働いてるんですよ。遊ぶ暇がないくらいまで働くってどうなのって思いました。

川井:

ですね。

松本:

先輩がすごいよく出来る人でバリバリ働いてたんですけど、「この前3000万の車買っちゃったよ」て言ってて、「すげー!やっぱ給料多いですねぇ」って話をしてたら、「だけど納車から4ヶ月乗ってないけどね。乗る暇ないんだよね」って言ってましたね(笑)

川井:

そうですよね(笑)

松本:

あと、忙しいプロジェクトのリーダーとかが「最近家に帰れてないんだよねー」って言ってて、2か月くらいしたら「別れちゃったよ…」みたいな。そんな話を聞いてると、そんな生活はしたくないってちょっと思ったんですよ。

川井:

なるほど。

松本:

で、友達からお誘いもありましたし、でかいところがだいたいどんな仕事をしててどういう風に動いてるかわかったんで、ちっちゃいとこも少なくとも経験しようかなって思って転職したんです。

川井:

そうですか。それが2001年とかですかね。

松本:

99年に2000年対応して、2002年の終わりか2001年の始めか忘れましたけど、そのくらいですね。

川井:

その次はもう今の会社ですか?

松本:

いや、違いますね。その時は、親会社の投資元のサンブリッジっていうところの子会社だったテクノロジーズっていう会社ですね。サンブリッジっていう会社はベンチャーに対してインキュベーションをしている会社です。ベンチャーって何かが足りないことが多いんですよ。金と営業と技術の3本柱があったら会社経営はうまくいくんだけど、それのどれかが足りない。例えば技術だけはあるけど他が足りないみたいのが多いんです。その3本が整ってないことに対して、テクノロジーズでは技術を入れて、別のグループ会社では営業力を提供し、もうひとつのサンブリッジ自体では、お金と経営の方針とかを提供しますという理念でやってますっていうのがちょっとおもしろいなって思ったんです。

川井:

なるほど。

松本:

いろんなベンチャーに関われるじゃないですか。

川井:

はい。

松本:

自分がベンチャーしようとは思わないんですけど、いろんな変なことをしてる奴を助けたりするのは好きなんですよ(笑)

川井:

なるほど。

松本:

おもしろいと思って入ってはみたんですけど、蓋を開けてみたら結局はほとんど3本柱揃ってるところにばっかり投資してるとか(笑)

川井:

(笑)

松本:

うちらいらないじゃんみたいな感じでした。普通に零細SIかよみたいな(笑)

川井:

そうは言ってもリスクはでかいですもんね(笑)

松本:

ま、ちょくちょくは絡みましたけどね。技術の評価してって言われて見てると、柱がそろってないところはやっぱ「え?」ってところとかいるんですよ。これはダメだろみたいな(笑)

川井:

いますよね。

松本:

技術屋としてはあまり言っちゃいけないんですけど、当たるか当たらないか売れるか売れないかは技術じゃないんですよね。いいもの出したから売れるっていう幻想が日本には蔓延してるんですけど、そんなことは絶対にないんです。

川井:

なるほど。

松本:

SONYもSHARPも技術力で勝負するって言ってますけど、実はそれ違うだろっていうのは常々思ったりしますね。

川井:

はい。

松本:

プログラムの流行り廃りとかもそうで、世の中にはプログラムおたくがいて「この言語は美しい」とか「このフレームワークは美しい」とか言うんですけど、所詮自己満足で(笑)

川井:

(笑)

松本:

それが使われるかは別なんですよね。

川井:

そうですね。

松本:

流行るものって、だいたい美しいものの上に使いやすく見えそうなどろーっとした何かがかかってるみたいなところがすごくあって、その辺を考えてると、やっぱユーザーのニーズにいかに応えてるかみたいなのが重要だなっていう風に思ってますね。

川井:

そうですよね。

松本:

で、その時僕が思ってたのは、でかいとこでやってると仕様書の問題があって、仕様書を作ってそれをプログラムに落とすじゃないですか。だけど、仕様書はそのままプログラムに落とせるはずじゃないですか。だから、Excel書いたら、つまり仕様書書いたらプログラムできればいいんじゃないのみたいな発想があったんですよ(笑)

川井:

なるほど(笑)

松本:

仕様書にもやーっとしたものが書いてあって実装するんだけど、結果また仕様書をそれに合わせて書き直したりだとか、下手すると詳細仕様書はプログラム出来上がった後でとかこの業界よくあって、そんなのおかしいよねって話をよくしてたんですよ。

川井:

はい。

松本:

で、いわゆるMVCモデルでっていうとモデルとコントローラ、ウェブでいうところの画面遷移表をExcelの表でばーっと書いてあげたらそれを実現するフレームワークがあったらいいんじゃないみたいな発想の元、そういうフレームワークをR&D;で書いたんです。そしたら結構ウケて、なんか知らないけど、僕が出た後に商品になってました(笑)

川井:

なるほど(笑)

松本:

どうやらけっこうな主力商品らしいとか聞きましたけどね(笑) ま、大分違うのもになってますけど、ベースのアイデアはそれみたいです。それはやっていて面白かったですね。

川井:

そうなんですね。転職してからはやりたいことは実現できたんですか?

松本:

僕自体はでかいやりたいことっていうのはいつもないので、とりあえずおもしろいプログラムみたいなものを書いて誰か喜んでくれたらそれでいいやみたいな感じなんです。なので、ライブラリを書いたりお手伝いしたりとかそんな感じでしたね。

会社案内 株式会社モディファイ(英文社名: MODIPHI, Inc.)
http://modiphi.co.jp
http://www.modiphi.com
設立 2008年1月
資本金 1億5690万円(資本準備金含む)
代表 代表取締役社長兼CEO:小川 浩
所在地 〒151-0053 東京都渋谷区恵比寿一丁目19番19号(株式会社サンブリッジ内)
事業内容 インターネットおよびイントラネット上のコンテンツの双方向配信技術であるRSSフィードを軸としたWebアプリケーション開発と、関連製品、サービスやコンサルテーション、ブランディングをともなうクリエイティブの提供。

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