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サービス&ソリューション

第33回   永原篤 氏 |オープンソース・ワークショップ
永原:もうちょっと説明するとオープンソースでも色々あって、例えばオープンソースでシステムを作っている国立情報研究所のNetCommons っていう面白いオープンソースがあります。すごく頭のいい新井教授っていう方がリーダーで、やっぱりこういうのをビジネスに使わないといけないと先の事を考えておられる方なんです。それで、このソフトが面白いなってことで我々も手をつけてみたんです。それで、ぜひ一緒にこれを使わせてくれということで、今、ひとつはこれをメインで開発を行っています。
川井:なるほど。
永原:天野さんがやっているXOOPSに近いソフトなんです。CMSと言われるやつで、HPが簡単に作れたり、サイトが簡単に作れたりするソフトなんですね。今回NetCommonsのカンファレンスで2つセッションを持たしてもらっていて、お客さんの事例をしゃべるんですけど、ひとつは、通信制の大学なんですよ。通信制の大学って孤独なイメージがあるじゃないですか。だけどそこの大学すっごく面白くて、「通信制の大学を変えたい!」「履修率が低い、卒業率が低いものを変えていきたい!」と、本当に熱い大学なんですよ。その大学が立ち上がったのが5年前です。立ち上がる当時から前の会社でシステムを担当させていただいていて一緒に仕事させてもらってたんですけど、もっとその大学を便利にできないかと思いますよね。通信制の大学なんで、学生はWebでいつでも成績が見れたほうがいい、履修登録ができたほうがいい。じゃあ、ポータルサイトと大学のシステムをつなげてしまえばいいと考えるんです。そうなると学生はそのポータルサイトで自分の成績を見たりできるじゃないですか。
川井:なるほど。
永原:また、サービスが広がっていくんですね。
川井:すばらしいですね。
永原:で、最近はOpenPNEという手嶋屋さんのSNSも使わせてもらってやっているんですね。これも、「学校でどんなことしたいですか?」ということで、せっかくの通信制、インターネットが流行ってきている時代、何か面白いことはできないか?と考えて、「じゃあ、ポータルと今のシステムつなげたらもっと面白いことができますよ。SNSは最近流行ってきてるらしいですけど導入したらいかがですか?」と提案できたんです。
川井:なるほど。
永原:オープンソースの商売では、ソースはタダです。もし永原が高いと思ったらここにあるんで勝手にダウンロードしてくださいって(笑)それじゃ商売できないので、あかんのですけど、よくそう言ってます。
川井:(笑)
永原:お客さんは、本業はソフトウェアじゃないはずなんですよ。本業じゃないのにソフトウェアの開発をしようとしても無理ですよね。やっぱり、本業を絶対すべきなんですよ。学校の教員であるなら生徒に向かって欲しいわけですよね。で、余計なシステムの時間の部分をこっち側がもっともっとはやく解消しますっていう風に仕事の分け方をしていけばいいと思います。それで、やっぱり効果を出してほしい。そんな風に仕事を分けて、学校がもっともっと盛り上がってほしい。生徒も増えてほしいし、このシステムにかけた費用なんて早く解消してほしいです。
川井:確かにそうですね。
永原:そういう風に提案も含めて、プログラム開発しながらやっていくんです。まあその中で見積もり出してお金もらってっていうのがもちろんありますが。
川井:なるほど。
永原:なのでおかげさまで結構オープンソース、いい感じですよ。
川井:すばらしいですね。
永原:営業的にもね、オープンソースってすごくいいですよ。昔は、例えばお客さん二人いらっしゃるとするじゃないですか。買うかどうかわからないんですけど提案します。提案出して見積もりを出してそれで初めて「いや実は見に来ただけです」、一方は「買うつもりでした」。二つ時間使って半分とれた。これはラッキーなほうですよね。
川井:そうですね。
永原:オープンソースはすごい楽ですよ。最初に言うんですよ。「システムのベースはありますか?なければ教えますからここにあるんで勝手に使ってください。予算がなければこれでさようなら」です(笑)。もともとお金を出さないお客様は、それで納得して僕を解放してくれる。お金を出してくれるお客様は見積りを要求してくれる。
川井:(笑)
永原:お金決めて契約で、あとはもう集中して製作(笑)どんだけ営業効率あがるんだよ、と思うくらい上がりますよ。
川井:確かに。そこは本当にうまくあの商売魂を生かされてますね(笑)
永原:がめつい傾向がありますから(笑)
川井:むやみやたらに売り込まれると抵抗感ありますけど、そういわれると「お?売り込まなくていいの?」なんてなりますね。
永原:オープンソースはみんなでがソフトウェアを作っているので、「広がる」っていうのも大事なことかなと思っていまして、我々もそれで商売をさせてもらっている以上手伝うべきところだと思うんですね。
川井:NetCommonsを選んだ理由ってあるんですか?
永原:国が作っているからです。
川井:そこですか。
永原:機能もいいんですよ。中身も素晴らしいなと思います。でも一番はやっぱり安心できるところが作っているところ。オープンソースっていろんなコミュニティが作ってますよね。ただ僕は勝手にダウンロードして使うのがあんまり好きじゃないのでたとえばXOOPSなら天野さんのところに契約しようよ、と声をかけてやってました。作っている人ととにかく契約したいんです。
川井:なるほどなるほど。
永原:NetCommonsは、NPO法人が立ち上がっていてそこに僕も入ってたりするのである意味契約なわけです。OpenPNEの手嶋屋さんともASP販売代理店ていう契約をしてたりします。そういうわけで、得体のしれないものを勝手に使うのは怖いのです。ビビりなんですよ。お客に提供しにくいし、本当に安心できるものだけを集めたい。NetCommonsはその中のひとつだったんですよ。
川井:なるほど。
永原:それにNetCommonsは営業しやすいんですね。NetCommonsのNPO法人にしても、色んな会社さんが入ってくると、みんな競合としてぶつかるのか?たとえば10社入ってきたら10社は競争になるのか? 僕は違うと思うんですね。世の中そんなに何もかも、「1社でやってます。うちはよそとは一切関わりません」みたいな会社はないと思うんですよ。
川井:ないですよね。
永原:たとえばヒアリングだけが得意な会社、プログラムが得意な会社、デザインが得意な会社、インフラが得意な会社、いろいろあるじゃないですか。みなさんが本当に得意なのはどこ?って聞いて回ります。聞けるのが僕のひとつのスキルかなと思っています。ずけずけと押しかけていって、「教えてくださいよ、どこが得意なんですか?本当にどこでも得意ってことはないですよね?」って聞けるわけですよ(笑)嫌がられたら「すいません、帰ります」って帰ったらええねんから。
川井:(笑)
永原:それで、もうそういうリストを作ったりしてます。
川井:パートナーリストがあるわけですね。
永原:はい。それをやりだすと本当にみんなの得意分野が見えてきて、誰と組めばいいのかが見えてくるんですね。うちは誰と組めばいいのか、こんな時は誰と組めばいいのか。そうするとみんなにそこで仕事が生まれてくる。そして市場が広がるんです。
川井:なるほど。
永原:これもずっと言ってるんですが、それでもし本当に仕事の取り合いになるんだったら、その程度の市場しかない仕事はやめてしまえと思います。もしくは自分たちで市場を広げればいいんですよ。
川井:はい。
永原:市場が埋まってたら作ればいいと思うんですね。せっかくこんなにいいソフトがあって、色んなところに使えるんですよ。NetCommonsは学校向けって思われてるところが多いんですけどそうではなく、僕はけっこう印刷業界向けに売ったりしてるんですね。すごく便利な機能があったりWeb入稿にもこのシステムがそのまま使えるじゃんっていうのがあったり。市場は営業次第で広がると僕は思っています。
川井:そうですね。
永原:ちなみに、僕は技術屋で営業じゃないですからね(笑)
川井:いやいや、営業ぽいですねぇ(笑)
永原:(笑)そういう風にみんなつながっていくんですね。そして、協業できるんですね。
川井:なるほど。ちょっと話は戻りますが、Javaの次にPHPを勉強された感じですか?
永原:はい。もう言語はね、僕らと同じくらいの技術やってる人はみなさんそうだと思いますけど、ある程度は見たらわかります。PHPは本も買ったことないくらいですね。Web上にマニュアルがあるし問題ないですね。こんなことができるはず、ていうのがあれば他の言語であっても一緒です。こんなこともできたんだ、って発見はありますけど。
川井:なるほど。うちは最近Railsをやってましてですね。
永原:あ、そうですよ。なんかインタビューに多いですよね。
川井:そうですね。Rubyの思想が比較的うちの会社の思想にあってるのもあって、そういった意味でかついでるところはあるんですけどね。
永原:早く国際標準をまとめてほしいですね。それで見ているだけって人もいっぱいいるだろうし、それができたらもっと大きな案件出せるじゃないですか。
川井:そうですよね。こないだRuby会議2008でやっぱり、国とか公共機関からの発注の時に国際標準がないと書けないというのがあって、それを作ってほしいという話がきているという話題は出ていましたね。
永原:そうですね。実装もいっぱいあるし期待しているんです。
川井:なるほど。
永原:ただまあ、ずぼらな技術者なんで、自分は仕様とかが整備されてからでいいやと思ってますけど(笑)
川井:なるほど(笑)
永原:いつ来んのやろとか思いながら。
川井:もう、2年くらいそんな状態になってますよね。
永原:もう確実に来るでしょう。次はRubyで行きます。
川井:そうですか。さっき言ってたTさんとかもRubyでオープンソースのSNSなんかをされていますね。NさんもけっこうRubyを使っての開発をしているとか聞いていますよ。
永原:あ、そうですか。
川井:今は直請けでお取引されてるんですか?
永原:直でできるところはやって、だめなところは一緒に仕事をしている会社を通してます。僕はドアオープナーにもなるので、会社にしても便利な存在なんです。
川井:引き合いの出方はどういう感じで来るんですか?
永原:NetCommonsのNPO法人では、各社のまとめを私が手伝わせてもらってます。ボランティアでやっているけれども、じゃあ誰がみんなとつながったの?ていうと僕がつながってることになるんですね。
川井:はい、なるほど。
永原:それで実際、案件があったら誰に相談してくるの?ていうと必然的にこっちに来ますよね。
川井:はい。
永原:だけど僕は今も案件を持っているしさばけないので、みなさんお願いしますと。
川井:ある意味HUBになっているわけですね。
永原:はい。ありがたい話ですね。
川井:いい循環ですね。そのまま会社を作ってもうまく回りそうな感じですよね。
永原:確固たるものがあればという感じですね。そのためにも僕は、市場をもっと広げないといけないかなと思っています。
川井:なるほど。今後企業という形にして、どんな会社を目指そうとされていますか?
永原:今の通りですよ。技術屋としての小さな会社ですね。20人は超えないようにしたい。超えそうならばそれは違う仕事が入っているかな、と思うんです。僕が一人で見られるのは、経験的に20人までかなと思っています。それ以上増やしたいときはおそらく違うことがしたい時なはずです。その時は、それが得意な部下を作るなりして、その人がまた違う会社を作ればいいと思っています。色々やりたいやつが僕の下にいると、きっと僕のことを「うっとうしいな」って思う事が起きると思うんです。それだったらうっとうしがられる前に、さっさと別のところでやれと。株半分よこせよという感じで会社を作ってあげればいいと思っています(笑)
川井:なるほど(笑)
永原:好きに動けるような小さい会社をいっぱい作りたいですね。できれば小さな会社のホールディングスを作ってしまいたいです。
川井:なるほど。
永原:はい。ちっちゃくていいんですよ。
川井:永原さん自身はオープンソースをテーマにしばらくやっていきたいということですね。
永原:そうですね。ひとつのことに熱中すると飽きない人間なので。24時間ビリヤードしてたりしますからね(笑)
川井:それはすごい(笑)凝り性ですね。リアルコミュニティにもけっこう顔を出されたりしますか?
永原:はい、行きますよ。こないだのLinux WorldはXOOPSブースに座ってました。XOOPSつながりの方々とは仲良くさせていただいてるので。
川井:なるほど。
永原:僕は特にソフトを持っているわけではないので、オープンソースに何が足りないんだろう?もっともっと流行ってもいいはずなのに、と思っていてるんですけど、やっぱりこういう営業が少ないのかなと思います。どうしても技術から入るじゃないですか。
川井:そうですね。
永原:やはり足りないのはそこかなと。だから足りないところからやろうと思っています。本当はプログラムを作っていたいんですけど、そうも言っていられないので、足りないことをやろうと思っています。
川井:ほー。これからもじゃあ夢がいっぱいある感じですね。
永原:はい。そうですね。けっこう楽しくなってきました。
川井:本当に生き生きされてますよね。
永原:はい。楽しいですよ。
川井:やはり個人でやっていてそういう方は多いですよね。
永原:たぶん好きなことができるからですよ。
川井:とてもうらやましい感じがします。
川井:では最後に、若手のエンジニアにメッセージをいただけますか?特に将来独立してやってみたいという方に向けてアドバイスいただけますでしょうか。やはり勇気がいることだと思うんですね。どうすれば成功するのかみたいなことを考えている方はけっこういらっしゃると思っているのですが。
永原:そうですね。言い出したらたくさんあるんでしょうけど、まず一番は「人のためになることをしろ」ということかな。お金は後で付いてくるんです。
川井:「損して得取れ」と。
永原:はい。やっぱりそこですね。まずは損得を考えなくていいから、いや考えないとまずいんですけど(笑)儲けだけを考えてどうこうじゃなくて、誰かの役に立つことを考えればいいと思います。世の中捨てたもんじゃないと。特に独立しようとするとやっぱり不安じゃないですか。世の中って怖いんじゃない?みんな僕にそっぽ向くんじゃないの?どうしよう?と思うかもしれないですけど、世の中はそんなに捨てたもんじゃないです。自分が誰かのために一生懸命何かをしようとさえすれば、必ず誰かが拾ってくれます。
川井:なるほど。あと、逆説的な質問をしてもいいですかね。
永原:はい。
川井:こんな人は独立しないで、会社で頑張ったほうがいいよというタイプはいますか?
永原:ああ、いますよいっぱい。そのほうが多いでしょうね。独立して頑張れよ、と言える人は1割2割ですよね。
川井:そうですか。したいという人はけっこう多いと思うのですが、出来るかどうか、向くかどうかというのは別の問題ですよね。こういう人はあぶない、向かないよというのはどういう人ですか?
永原:真面目な子は無理でしょう。ずっこいやつ、ずるいやつじゃないとだめです(笑)
川井:(笑)なるほど。商売できないってことですね。
永原:うん、根っから真面目は無理やと思うんですね。「学校の頃からずっと真面目でした」っていう子はしんどいから辞めとけと。かわいそうだからやめといたほうがいいと思ってしまいます。「僕はちょっとワルでした。すいません」って子には、「頑張れ、お前ならできる」と、そういうノリかなと思っています(笑)
川井:なるほどなるほど。ありがとうございます。しかしほんとに生き生きと話をされてますね。
永原:昔からこんなノリなんです。嫌なことがあったら、行きたいほうに行っちゃうので。
川井:武勇伝シリーズ的には、関西弁で初めて作るので面白いかもしれないです。
永原:昔は怒られたんですよ、東京来たときは。東京来たら直せって言われて。
川井:そうなんですか。
永原:すっごい反発しましたけどね。
川井:絶対味があると思いますね。
永原:「自分の言葉でしゃべらん営業が、なんで人の心を打てんのや」とか言って、人の会社の社長に食ってかかったりして(笑)
川井:(笑)
永原:そんなこともしたなぁ(笑)今も思い出すけど。
川井:(笑)今日は楽しいお話をして頂き、ありがとうございました。
永原:こちらこそ、ありがとうございました。




屋号 オープンソース・ワークショップ
http://opensource-workshop.jp/
代表 永原 篤
所在地 〒135-0062 東京都江東区東雲1-9-41-3301
事業内容

オープンソースを中心としたソフトウェアを使用し、お客様にシステムを提案・開発します。

また、関連会社のアドクリエイション株式会社よりご提案させて頂くことも可能です。

関連会社

アドクリエイション株式会社( http://www.adcnet.co.jp )



実はこの方が紹介者→ Webエンジニア武勇伝 第31回 株式会社RYUSの代表取締役・天野龍司氏
次に紹介したのは→ ※現在オファー中!!乞うご期待!!
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